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あすて雑記

十二宮紀行NGシーン

話の流れ的にちょっとこれじゃ話が進まないなと思ってあえなくカットになったお話。
8話のミロが主人公抱き上げた辺りのNGシーン。

「それでお前は?」
「……ジェミニ様方の凄さに腰が抜けてしまいまして」
「……」
 居心地の悪さに負けて、私はくるりと顔の前に垂れてきた髪を指に巻きつけて視線をふらふら。
 スコーピオン様の言葉は率直で、口調もややきつい。おまけに私とスコーピオン様の相性は余り良いとは言えなかったりする。
 彼はもう一度サガ様とカノン様の方を見やって大きくため息をついたかと思うと、おもむろに私の前に膝を着いた。
 黄金色の聖衣に白いマント、ああまるでおとぎ話の王子様か騎士様だなあ、と見惚れてしまう格好良さだ。
「失礼」
 言うが早いか膝の下に腕を差しこまれる。
抱き上げられたのだと脳が認識しようとした瞬間、スコーピオン様が微妙な高さで一瞬動きを止めた。そうしてゆっくりと抱え上げられる。
「おい、書庫番」
「……なんでしょう、?」
「このミロにはお前の体重程度、木の葉よりも軽く感じるが……普通の男にこの重さはつらかろう」
「な!」
「少し減らしたほうがいいのではないか?――ああ、見た目はそのままで充分だが」
 とても近い距離で、とても真剣な面持ちで言われ、私はじわじわと湧きあがる羞恥と怒りに顔を赤くする。やっぱりスコーピオン様は王子様でも騎士様でも無かった。
 だってデリカシーがなさすぎじゃない!
「ち、違います! 増えてないです! 鞄に入ってる本の重さです!」
 年頃の乙女(自己申告)の名誉にかけて本ぎっしりの鞄を指さし声をあげる私を半眼で見下ろし、スコーピオン様はああ、と納得がいった風に頷いた。
「書痴も程ほどにしておけ。嫁の貰い手がなくなるぞ」
「余計なお世話です。誰も貰ってくれなかったときはアイオリアに貰ってもらいます」
「気の毒だな」
「それはアイオリアがですか、私ですか」
「アイオリアに決まっている」
「あなたつくづく失礼ですね!」
 この間どんなに暴れようが叫ぼうが、私をお姫様のように抱えている彼の腕はびくとも揺らぐことはなかった。
 さすがは数多の聖闘士の頂点に立つ黄金聖闘士、蠍座のミロ様だ。結局悔しくなるほどかっこいいという事実も揺るがなかった。
 ああこの人にもう少し優しさとデリカシーががあればいいのに!


(収集つかなくなったので終わります。アイオリアのくだりは書庫番とアイオリアがよく使う冗談みたいなものです)
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