おひさしぶりです! とブログを書くたびに言っています。
元気です。
今年もやって来ていたキスの日だったのでちまちま書いてたんだけど間に合いませんでした。
あとこどもの日ネタも今年も書いてたけど間に合いませんでした(ごめんなさい)。
肝試しは夏中に書きたい…です…。のびのびですが必ずまた書きます。まだまだずるずるサイト続ける気満々ですのでご安心(?)ください。
ということであの、続きからキス小噺です。今年は以前のキスお題で書かなかった人を中心に。
ちょっぴり大人向けにアルデバランとミロで一つずつ。
背中なら確認(アルデバラン)
早朝の薄明かりの中に浮びあがった、アルデバランの隆起した肩甲骨のあたりに走る古い傷痕に、彼女がすう、と息を呑んだ気配がした。アルデバランは彼女に背を向けたままにそっと苦笑した。
いつかに子供を庇って作った傷だった。しかし黄金の牡牛が壁となるその前にも子供は一撃を受けていて、後に命を落とした。そんな話をつらつらとしてやると、彼女は痛ましそうに眉根を寄せた。
早々に服を着てしまった方が良いかもしれない、と上着を探すため動き出そうとしたアルデバランは、けれど背中をつ、となぞる指先の感触に思わず動きを留めた。細くて柔い指の腹が何度も背の傷の上を行き来し、やがてそこに指より柔らかい、濡れた感触が触れる。
「傷みますか」
唇を離した彼女が、再び手のひらでアルデバランの背中を撫でながら聞く。
「昔の傷さ」
「そう、」
彼女の指は止まらない。
アルデバランも振り払わなかった。
「いたむ時は言ってくださいね。撫でることくらいはできるから」
あまりに優しい指先が、あの日の無念すらそっと撫でてくれるようだった。
腿なら支配(ミロ)
「お前は、俺のだろう」
シーツの海の中で、息も絶え絶えにミロが言う。
一体、この人は私の何がこの人の独占欲を刺激したのだろうと、彼女は滲む視界でミロを見上げながら思った。ミロの嫉妬や不安を自分が煽ったらしいということだけは、この行為が始まる前の言葉から察せられた。けれど青い瞳は激情に駆られ、形の良い唇が女の至る所を責めるので嗚咽と嬌声ばかりが口から零れてどうしようもない。
もう許して、とひとつ懇願を息も切れ切れに漏らすと、ようやくミロは我に返ったように動きを止めた。ゆるゆると首を振ると、薄い闇の中でも金糸の髪が揺れるのがわかった。
すべては静かに、ゆるやかに終わるかに思われた。しかし。
「きゃ、」
ぐ、と不意に足を持ち上げられる。内側の、付け根に限りなく近い場所に顔を寄せたミロは、そのまま柔い腿に吸い付いた。
「頼むから、よそ見ばかりしないで、俺だけを見ていてくれ」
PR